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患者向けめまい関連資材

「めまい」5つのギモン

Q1なぜ、めまいは起こるの?

A1めまいは、体のバランスをとる仕組みに異常が生じたとき、起こります。

私たちの体では、耳、眼、筋肉などからの情報が脳に送られ統合されます。そして、脳で統合された情報が首や腰、手足などの筋肉に正確に伝わることにより、体のバランスを正常に保っています。これらの情報に異常やくい違いが起こるとバランスがくずれ、めまいが起こります。

情報入力源の耳は外耳・中耳・内耳の3つの部分にわかれていて、めまいに関係のある内耳は一番奥にあります。内耳は、「音を聴く働き」をする蝸牛と「体のバランスをとる働き」をする半規管及び前庭から成り立っていて、ここでとらえられた情報が神経を通って脳に送られます。

体のバランスを支える仕組み

情報の入力

3つの情報を統合


3つの情報を統合

情報の伝達


情報の伝達

耳(内耳)の構造と働き

耳(内耳)の構造と働き

Q2どんな病気が関係しているの?

A2耳の病気、脳の病気、全身の病気がめまいの原因となります。

内耳は「リンパ」と呼ばれる液で満たされていて、このリンパの増加や漏れが起こったり、内耳の器官の一部(耳石)がはがれて浮遊したり、内耳でとらえた情報を脳に伝える神経(前庭神経)に炎症が起こったりするとめまいを生じます。 この場合、回転性のめまい発作に襲われることが多くなります。また、体のバランスをとる働きをする半規管や前庭は、音を聴く働きをする蝸牛とつながった構造をしているため、特に内耳性のめまいでは難聴や耳鳴りなどをともなう場合があります。

小脳や脳幹は体のバランスを保つ働きをしています。脳や全身の病気によって、小脳や脳幹に送られる血液量が不安定になったり不足したり、小脳や脳幹が圧迫されてもめまいが起こります。

めまいの原因と代表的な病気

耳の病気によって起こるめまい

原因

代表的な病気

リンパの増加(内リンパ水腫) メニエール病
浮遊物(耳石)の出現 良性発作性頭位めまい症
循環障害やウイルス感染 めまいをともなう突発性難聴
前庭神経の炎症 前庭神経炎
リンパの漏れ 外リンパ瘻

全身の病気によって起こるめまい

原因

代表的な病気

不整脈 房室ブロック
心房細動
血圧の変動 起立性低血圧
高血圧
その他 不安・心配ごと
低血糖 貧血

脳の病気によって起こるめまい

原因

代表的な病気

脳血管の障害 脳出血
脳梗塞
椎骨脳底動脈循環不全症
腫瘍の発生 聴神経腫瘍
小脳腫瘍

めまいのタイプ

回転性めまい
目の前がクルクル回る
回転性めまい
非回転性めまい
立ちくらみ、ふらつき
非回転性めまい

Q3病院ではどんな検査をするの?

A3めまいの原因を調べるため、次のようにいろいろな検査を行います。

問診(詳しい症状や生活環境について尋ねます)

問診(詳しい症状や生活環境について尋ねます)

めまいが起きたときの状況(どんなめまいか、何をしていたときに起きたか、どれくらいの時間持続したか、めまい以外にどんな症状があるか、など)を尋ねます。また、ストレスもめまいの原因として考えられる場合には、最近の生活状態(仕事は忙しいか、睡眠は十分か、気がかりなことはないか、など)を尋ねることもあります。

体のふらつき具合をみる検査

体のふらつき具合をみる検査

両足または片足で立って、目を開けたときと閉じたときとで、体のふらつき具合がどのくらい違うかを観察します。また、足踏み前後で体の向きがどれくらいずれるかを観察する検査もあります。

めまいの程度をみる検査

めまいの程度をみる検査

めまいを起こしているときの眼は独特な動きをしていて、この動きは「眼振」と呼ばれています。 物を見つめない状態、見つめた状態、頭の位置を変えた状態などで眼振を観察します。軽い眼振も観察できるよう、特殊なメガネやビデオカメラを使ったり、電気的な記録で眼振を観察することもあります。また、外耳道に水あるいは風を入れて少し温めたり冷やしたりして半規管の反応をみる検査(温度刺激検査)も、めまいの診断のために大切です。

その他

その他

聴力検査は耳の病気によるめまいの診断に必要です。また、画像検査(CTやMRI)なども必要に応じておこなわれます。

Q4どんな薬で治療するの?

A4めまいを抑える薬、吐き気・嘔吐を抑える薬、不安をやわらげる薬などがあります。

めまい
を抑える薬

吐き気や嘔吐
を抑える薬

めまいに対する不安
をやわらげる薬

めまいが起こったときには、めまい以外に吐き気や嘔吐などを伴う場合があります。また、不安な気持ちがめまいを一層強めることもありますので、上記のような薬を処方し、めまいを早急に抑えます。内服が困難な場合には注射で投与することもあります。

また、めまいが落ち着いているときには、めまいの原因を改善していく薬やめまいが再び起こらないよう予防する薬を処方します。

めまいが起こったときの心がまえ

めまいが起こったときの心がまえ
めまいにともなって激しい頭痛や手足の麻痺があったり、意識がおかしくなったりしたときはできるだけ早く救急病院などを訪ねてください。
めまいが起こったときの心がまえ
主治医から頓服薬(めまいを抑える薬、吐き気止め、抗不安薬)があらかじめ処方されていれば服用してください。

めまいには薬を服用する以外にも、それぞれのめまいの状態に合わせ様々な治療法があります。

生活指導
生活指導
Q5参照
心理療法
心理療法
緊張や不安を解消
運動療法
運動療法
頭位の変換や足腰の鍛錬で体のバランスを鍛える

場合によっては手術も考慮されます

Q5めまいが起こらないよう心がけることは?

A5主治医の指示に従い、次のようなことに注意して日常生活を送りましょう。

睡眠と休養を十分にとる

1睡眠と休養を十分にとる

睡眠不足が慢性化すると、めまいが起こりやすくなります。

ストレスとうまく付き合う

2ストレスとうまく付き合う

ストレスの原因を減らすほか、適度な運動をして健康な体を保ったり、趣味をもち気分転換をしましょう。

タバコは本数を減らすか禁煙を

3タバコは本数を減らすか禁煙を

喫煙の習慣は脳や内耳の血液循環を悪くし、めまいを起こしやすい状況をつくります。

規則正しい食事をする

4規則正しい食事をする

水分や塩分の制限を勧められた場合は主治医の指示に従ってください。

飲酒は控えめに

5飲酒は控えめに

度を過ぎる飲酒は生活リズムを崩し、めまいを起こす恐れがあります。

旅行に出かける前に主治医に相談を

6旅行に出かける前に主治医に相談を

乗り物に乗ったり、ハードな旅行日程が続くとめまいをきたすことがあります。

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