平衡機能検査
下肢の偏倚現象を検出する足踏検査について、解説します。
足踏検査は、平衡障害の有無・程度の把握、患側の推定、経過観察に有用です。
一定点において閉(遮)眼で足踏みを一定歩数行わせて、中枢性または末梢性前庭性不均衡に基づく下肢の筋緊張の左右差による偏倚を検出する。同時に平衡失調(動揺、転倒)も検出する。
1 | 履物を脱いで、同心円の中心に正面を向き、視線を正面に固定する。 |
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2 | 両上肢を前方に伸ばし手掌を下に向けて、足をそろえて立つ。 |
3 | 開眼で大腿を水平まで上げて軽くその場で足踏みを練習する。 |
4 | 閉(遮)眼で同様に足踏みを50歩ないし100歩行う。 検査は3回繰り返すのが望ましい。 |
5 | 足踏み中の被検者の態度(動揺、転倒)を観察し、足踏み終了後の患者の停止位置における 回転角、移行角、移行距離、軌跡などを測定、記録する。 |
100歩の足踏みを行った場合
偏倚・回転角 | 正 常:44°以下 移行帯:45 ~ 90° 異 常:91°以上 |
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移行距離 | 正 常:1m 未満 異 常:1m 以上 |
動揺、失調性歩行、転倒など明らかなものは、病的と判定する。
開眼における動揺は中枢障害が疑われる。
日常動作の基本である歩行に関する検査である歩行検査について、解説します。
眼振との対比や数日間の間隔をおいて検査を反復することにより、診断や予後の予測につながります。
直線上を閉(遮)眼にて歩行させ、左右への偏倚を測定し、中枢性または末梢前庭性不均衡に基づく下肢の筋緊張の左右差を検出する。
1 | 履物を脱いで、6m の直線上を開眼にて前進および後退させて練習する。 |
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2 | 閉(遮)眼にて同様に前進および後退を行わせる。 |
3 | 前進および後退終了後の偏倚距離を測定し、同時に歩行中の態度を観察する。閉眼で3回検査する。 |
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