健康成人男子11例にアデホスコーワ顆粒10%(ATP-2Naとして100mg)を経口投与し、椎骨動脈(内耳を灌流する主血管枝)及び総頸動脈血流に及ぼす影響を超音波ドップラー法により検討した。
その結果、アデホスコーワ顆粒10%内服2時間後の血流増加率は椎骨動脈58.3±32.1%、総頸動脈24.4±9.3%であった。
後藤和彦他:基礎と臨床,16.3617(1982)
モルモットにATP-2Na500mg/kgを十二指腸内投与し、内耳をbenzidine染色した後、内耳微小血管の管腔横径を測定した。
その結果、ATP-2Na投与により、前半規管膨大部稜をはじめとする内耳領域の微小血管拡張が認められた。
写真(上):生理食塩液 i.d. 15分後(×120)
写真(下):ATP-2Na 500mg/kg i.d. 15分後(×120)
秋吉正豊他:Audiology Japan,25.614(1982)
ストレプトマイシン(SM)により惹起される前庭機能障害(平衡反射障害)に対するATP-2Naの効果について検討した。モルモットにATP-2Na を100mg/kg(ATP投与群)又は注射用蒸留水(対照群)をそれぞれ19日間経口投与、うち最初の9日間はSMを400mg/kg/day筋肉内注射し、薬剤投与前日、15日目、20日目に回転刺激による前庭機能検査を実施し、眼振数変化率について比較検討した。
薬剤投与前の平均眼振数はATP 投与群26±3回、対照群27±2回であり、20日後の眼振数減少率は対照群58%、ATP投与群37%で2群間に有意差が認められたことにより、ATP-2NaはSMにより誘発される前庭機能障害に対する軽減作用を示した。
中村政記他:日本薬理学雑誌, 75. 487(1979)
この医療関係者用ホームページでは、医療用医薬品を適正に使用していただくための情報を日本国内の医師及び薬剤師等の医療関係者の方々に提供しております。
日本国外の医療関係者及び一般の方に対する情報提供を目的として作成されたものではないことをご了承ください。
このサイトをご利用されるに当たって興和ホームページの「著作権とリンクについて」もご参照ください。