眼振の実際
下眼瞼向き眼振を認める疾患を以下の表2に示す。前庭神経核間の第四脳室底の病変(下直筋への持続性興奮性神経活動を遮断)、小脳片葉の両側性の病変(上直筋への持続性興奮性神経活動を脱抑制により増強)など、中枢性の垂直性前庭-眼経路の障害で生じる。
表2 | |
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小脳変性症 家族性周期性失調症、傍腫瘍性変性症を含む |
頭蓋頸椎奇形 Arnold-Chiari奇形、Paget病、頭蓋底陥入症を含む |
脳幹または小脳梗塞 | 椎骨脳底動脈蛇行拡張症 |
多発性硬化症 | 小脳腫瘍:血管芽細胞腫を含む |
延髄空洞症 | 脳炎 |
頭部外傷 | 抗けいれん薬治療 |
リチウム中毒 | アルコール:アルコール性小脳変性症を含む |
Wernicke脳症 | マグネシウム欠乏 |
ビタミンB12欠乏 | トルエン乱用 |
先天性 | 中脳梗塞 |
頭蓋内圧亢進症および水頭症 | 健常幼児での一過性の出現 |
参考資料
トーマス・ブラント著、めまい改訂第2版、198ページの表を引用
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